Rose of blood
私がここにいることは国王様と王妃様しか知らない。


でもノックしている人が違ったら……。


私は声を出せなかった。



「失礼致します」



ドアの外から聞こえた声は、よく知っている人の声だった。


ゆっくりとドアが開き深くお辞儀をされる。



「国王様より申し使って参りました。ラキと申します。今後身の回りのお世話をさせて頂きますので、宜しくお願い致します」



こんなにお気遣い下さるなんて……。



「……ラキ」






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