Rose of blood
ジェイドは振り返ると私の体を抱きしめた。


酷く震えている。



「……ジェイド?」

『お願いだから死ぬなんて言わないで。君は必要な存在なんだよッッ』



泣きながら懇願してくれるジェイド。


だけど、私は首を縦にふることはできなかった。



「……ごめん」

『どうしてそこまで生きる事を拒むんだよ!!』



生きる事が怖いんじゃない……。


生きている事で、私のせいで関係ない人たちが傷付くことが怖くてしょうがない。



「私の存在は疫病神と一緒よ。いれば厄をもたらす」






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