Rose of blood
『もう……ローズの気持ちは揺るがないんだね』



私の体を離したジェイドの顔は涙でグシャグシャだった。


涙で濡れたジェイドの頬を優しく拭った。



「うん」



ジェイドがポケットから何かを取りだし手渡された。



「これ……」

『血が飲みたくなったときの発作を抑える薬』

「もらえない」

『今の状態だと二ヶ月後のシエルの結婚式までもたない。血を吸いたくないんだったらせめてそれを飲め』

「…………」



ジェイドは顔についた涙を袖で乱暴に拭いながら部屋を出ていってしまった。






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