Rose of blood
ローズの部屋を出ると使用人の女が立っていた。



『名前は?』

「ラキと申します」

『ラキ、ローズの……瑠花の容態に異変があったら直ぐに知らせてくれ。警備の者にはお前の事を周知しておく』

「えっ!?」



ローズに遣えている使用人だ。


この国の者ではない私の指示に従う義務はない。



『頼む』

「……かしこまりました。ですが……」

『分かっている。ここのことは口外しない』

「ありがとうございます」



ラキは安心した顔をし部屋の中へ入っていった。


どうすればローズは生き続けてくれるだろうか…………。


暫くは薬でなんとかなるはずだが、純血の血を薬でどこまで誤魔化せるか分からない。






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