Rose of blood
呆れたように笑われてしまった。



『ローズは相変わらず自分の価値が分かってない』

「価値?」

『君はこの世の女性全ての憧れの存在だよ』



それは本当の私を知らないからよ。


みんなが羨望の眼差しを向けているのは、私の地位と金色の髪と瞳。



「私はもうただの女。皆が憧れるようなものはもう持ってない」

『本当に呆れた』



本当に呆れられたようで、顔は少しも笑っていない。


逆に私が思わず笑ってしまった。






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