Rose of blood
私は確かめるようにお腹に手をあてた。



「赤……ちゃん……?」



本当にここにいるの?


私と……シエルの赤ちゃんが。


死のうと決心したはずの心が大きく揺れ動く。



「何故ッッ……宿ってしまったの……」

「ローズ様……」

「ッッ……私は存在してはいけないのに!!死ぬべき存在なのにッッ!!何故……何故なのッッ……」



この子を産みたいと……育てたいと思ってしまった。



「……ローズ様、お体を冷やされてはお腹のお子によくありませんので、ベッド戻りましょう」






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