Rose of blood
突然誰かに手を握られた。


この感触覚えてる。


私の愛する人。



「……シ、エル?」

『あぁ、傍にいるよ』



涙のせいでシエルの顔が歪んで見える。



「ごめ……ッッなさ、い。勝ッッ手な事……をして……」

『気にしなくていい。今は喋らなくていい』



頬に触れるシエルの冷たい手。


優しい香り。


落ち着く声。


全てが愛しい。



『ローズ、本当に薬を飲むか血を飲むかしないと……』



そう言って薬の粒を口に入れようとするジェイド。


私はそれを拒んだ。



『ローズッッ!!』






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