Rose of blood
ジェイドの涙を見たのはいつぶりだろう。


それもこんなに辛そうな泣き顔を……。



『ローズにこんな辛い想いをさせるくらいなら、連れ戻さなければ良かったと思ったッッ!!』

『お前が連れてきたのか!?』

『そうだよ……。どうしてもローズが欲しかった……無理だと分かっていても』



術に関しては天才的だと思っていたが、まさかジェイドが連れてきたとは思いもよらなかった。


こちらの世界に飛ばすだけならまだしも、バンパイアの血を封印されていたローズを探し出すとはな。



『私の元へ連れて来るはずが、思わぬ物に邪魔をされた……』



ジェイドがポケットから金色のネックレスを取り出し、俺に差し出した。


俺はそのネックレスを受け取った。






< 312 / 534 >

この作品をシェア

pagetop