Rose of blood
『父と母は禁忌を犯してまで……命を捨ててまでローズを助けた。俺はそんな事も知らずにのうのうと生きていたのかと思うと滑稽だな』



力なく笑うジョシュを見て胸が痛んだ。


俺も似たようなものだ。


本当に苦しんでいたのは真実を知っていたジェイドと記憶を取り戻してしまったローズなのかもしれない。



『僕はまだ生まれてなかった頃の事だからよく分からないけど、これからどうするかが大事なんじゃないの?』



いつもの調子でケロッとした顔をして言うセリアル。


そんなセリアルに俺たちは呆気にとられた。






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