Rose of blood
次々と祝いの言葉を言いにくる者たち。


アマンダはずっと微笑んでいるが、俺は笑う気にはなれない。



「シエル様、ご気分でも悪いのですか?」

『普通だ』

「そうですか……」



アマンダは何も悪くない。


だが、ジェイドの話を聞いて割りきれない自分がいる。



『ジェイドは出席していないのか?』

『兄様が来るまでは一緒にいたんだけどなぁ。トイレじゃない?』



あいつは昔から気付けばふらっといなくなってる。


国は違えど同じ王子に変わりはないのにあいつはいつも自由奔放だ。


たまにそんなあいつを羨ましく思う時がある。






< 335 / 534 >

この作品をシェア

pagetop