Rose of blood
「変な事お願いしてごめんね」

『君をエスコート出来るなんて光栄だよ』

「いつからそんなに口が上手になったのかしらね」



冗談めいた私の言葉に豪快に笑うジェイド。



『あははっ!!私がこんな事を言うのはローズにだけだよ。さぁお姫様、お手をどうぞ』



ジェイドは私の前で腰を屈め優雅に手を差し出した。


私は笑顔で手を重ねた。


ジェイドは背筋を伸ばすと、華麗な動きで私の手を自分の腕に回し歩き出した。


笑顔で見送ってくれるラキに同じく笑顔で返し、私は部屋を後にした。



『大丈夫だよ。私たちが守るから、君はありのままの姿でいればいいんだ』

「うん。ありがとう」







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