Rose of blood
アマンダは泣き崩れ、アルファナ卿は怒り狂っている。


セリアルは珍しく真面目な顔をして立っている。


こいつもこんな顔ができたんだなと、兄ながら冷静にそう思ってしまった。



『申し訳ないが、アルファナとアマンダも今日のところは一先ず帰ってもらえないだろうか』

『ランス王まで何を仰いますか!?』

『私が状況を理解でき次第直ぐに連絡をする』



父も母もだいぶ混乱しているようだ。


娘のように可愛がっていたローズが目の前にいるんだ……無理もないか。


ファントム家とは家族ぐるみで仲が良かったからな。






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