Rose of blood
女の子のドレスは血と汚れのせいで元々何色だったのかも分からない。


真っ赤な血と時間が経って茶色くなった血がドレスと床にこびりついている。


私は急いで駆け寄り、床に膝を付き女の子と目線を合わせた。


瞳に光は無く、曇っていて虚ろな目をしている。


見方によってはうっすら金色に見えなくもない。


この子……純血だわ……。


純血の姫は私を含めて四人のはず。


でも……こんな子知らない。



「ちょっとごめんね」



女の子の首と手首に手をあて脈をとった。


脈拍は弱々しかった。


この子このままだと死んでしまうかもしれない。





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