Rose of blood
私たちは目を合わせたまま沈黙になった。


この男の威圧感にいつまでも負けてはいられない。


はりつめた空気の中先に口を開いたのは男の方だった。



『その娘を本当に心配しているのならそのままにしておけ』

「どういうこと?」

『実の父親に売られた娘だ。そのまま闇の中に身を投じていた方が心が救われると自身で判断したんだろう』



父親に売られた!?


何故……。


お金の為!?


いや……純血でお金に困っている者がいるなど聞いた事がない。



「どうして……自分の娘を売るなんて……」






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