Rose of blood
「この子の血を吸ってるのはあなた?」

『あぁ』

「だったらもう解放してあげて。ここまで衰弱していたら純血の姫としての力は無いに等しいでしょう」

『その娘は次の吸血で楽にしてやる』



眉一つ動かさず淡々と言葉を言い放つ男。


まるで興味が無くなった玩具でも捨てるような言い方。


なんて奴なの。



「殺す必要はないでしょう」

『生かしておく必要もない。それにその娘はこんな現実に生きるより、早く母親の元へ逝きたいだろうよ』






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