Rose of blood
シエル・エメラルディア……あの女の婚約者。



『そうか』

『何か手を打ちますか?』

『放っておけ。あの女がこちらにいる限り、そう簡単には手は出せまい』

『かしこまりました』



レイドが部屋を出ていき再び一人になった。


シエル・エメラルディアの名前を聞くと何故か落ち着かない気持ちになる。


気付けば拳を作り力一杯握ってしまっていた。


爪が食い込み血が流れるほどに。


あの女の事を考えている時とは違う感覚に襲われる。






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