Rose of blood
アイシャは不思議そうな顔をして私の顔を見てきた。



「今度は突然笑ってどうしたの?」

「アイシャに会わせたい人がたくさんいる」

「私に?」

「シエルやジョシュお兄様やセリアル……とにかくたくさんいるの」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど……上手く話せるか分からない……ずっとお城に閉じこもっていたから」



誰とも接していなかったせいで、自分の良さに気付いてないんだわ。


なんとかしてアイシャだけでもここから出してあげたい。



「大丈夫よ!!私とこんなにお喋りしてるじゃない!!」

「それはローズは女性だし、優しいからきっと話せてるんだよ。言うの恥ずかしいんだけど……男性はお父様しか話したことがないの……」

「ッッ!?」

「驚いたでしょ?使用人たちとも接していなかったし、お城で私が知っているのは家族だけ」



まさかそこまで徹底してお城に閉じ込められていたとは思わなかったから、驚いてしまった。


こんなに素敵な子なのに男性と接したことがないなんて勿体ない。


ますますセリアルに会わせたくて堪らなくなった。







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