Rose of blood
微笑んだり考え込んだり、色んな表情でお腹を触るアイシャ。


アイシャの胸中を考えると複雑な気持ちだけど、その光景は私にとっては喜ばしかった。



「アイシャもいつか必ず愛する者と廻り合って、愛する者との間に新しい命を授かることができるわよ」



首を横にふるアイシャ。

暗く悲しそうな表情を浮かべている。



「アイシャ?」

「……ここから出るなんて無理よ。キングが許すはずがない」



キングという名前に私の心臓は跳び跳ねた。


キスをされた日以来、私たちは全く言葉を交わさなくなってしまった。






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