Rose of blood
「それに……仮にここを出られたとしても、私には行く宛がない」

「ウェルヴィアへいらっしゃいよ。一緒にお城に住みましょう」

「そ、そんな事できないよ!!シエル様やローズの事を愛している者たちは、私の顔なんて見たくないはずだもの」



誰かに寄り添い甘えることをまだ知らない、アイシャらしい答えだと思った。


それに、少し前までの私とどことなく重なって見えた。


私はアイシャの手を握り微笑んだ。







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