Rose of blood
私たちはジオラさんに教えてもらった隠し通路を通り、無事に外に出ることが出来た。


辿り着くまでに炎や破損しているところも多く、私1人だったら助からなかったかもしれない。



『ローズ、怪我はないか?』

「うん、みんなが守ってくれたから。ありがとう」

『近くまで騎士団が来ているはずだから合流しよう』

「えぇ」



騎士団たちに合流する為に歩き出したが、アイシャは足を進めようとしなかった。



「アイシャ?」

「私は……私はやっぱり行けない。父1人では償いきれないほどの犠牲者を出してしまった……私も自分の命をもって償うべきだわ」

「あなたがいなくなってしまったらアマンダは1人ぼっちね」

「え……?」

『アイシャ、これからきっとアマンダは辛い試練をたくさん乗り越えていかなければならない。俺が言うのもなんだが、そばについていてあげてほしい』



涙を流し困惑するアイシャに手を差し伸べたのはセリアルだった。



『一緒に帰ろう』



セリアルの優しい微笑みに戸惑いながらも、遠慮がちにアイシャは頷いた。



「……はい」






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