Rose of blood
アイシャとアマンダの話が終わったら、使用人が呼びに来てくれる手筈になっている。


私とシエルは自室で使用人がやってくるのを待っていた。


どことなく部屋には重たい空気が流れている。


そんな中ドアがノックされ、使用人が来たと思ったら、顔を覗かせたのはセリアルだった。



『どうした?』

『僕もここで待っててもいいかな?』

「勿論よ」



1人でいると気を紛らわすことができないんだろう。


ソファーに座ったセリアルだが、落ち着かないのかキョロキョロしている。



『少し落ち着け』

『……うん』

『アイシャが心配か?』

『……うん』



セリアルは今にも泣きそうな顔をしている。


本当に自分の感情に素直な子。







< 507 / 534 >

この作品をシェア

pagetop