Rose of blood

穏やかな幸せ

「廊下を走っちゃダメって言ってるでしょうっ!!」

「『はぁぁぁいっ!!』」



元気よく返事はするものの、走るのを止めようとしないやんちゃな双子。


私は見失わないように追いかけるので精一杯だ。


双子の目的地は分かっているんだけどね。



ドンドンドンッッ!!


「『お父様ぁぁぁ!!ご飯の時間だよっ!!』」

『今日もリオとルナは元気だな』

「『うんッッ!!』」

「ハァハァ……走っちゃ、ダメって、言ってるのに……」



私は力なく執務室の入り口に座り込んだ。


疲れた……。



「『お母様ッッ!!大丈夫!?ごめんなさい……』」

「お父様と会えるのが嬉しいのは分かるけど、今度からは走っちゃダメよ?」

「『うんッッ!!』」



ニコニコと天使のような笑みを浮かべる双子のリオとルナ。


何度このやり取りをした事やら……。






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