Rose of blood
目を瞑っていると、部屋の中に何かが運び込まれるような音がした。


結構大掛かりなのね。


わくわくしながら目を瞑っていると、甘ぁい香りがしてきた。


何だろう?



「『どうぞぉぉぉ!!』」



目の前に現れたお菓子を見て目を疑った。



「これ……どうして…………」

「お母様がこの前このケーキのお話しをしてくれたでしょう?」



目の前には大きなウェディングケーキが置かれていた。


以前リオとルナに話したことがあった。


この世界ではない習慣だけど、異世界では結婚をするときに愛する人と一緒にケーキを切るんだよって。


涙でウェディングケーキがぼやけていく。



「『お母様?』」

「嬉しくてッッ……ありがとう」



抱きしめると2人ともギュッと抱きしめ返してくれた。


しがみつく手は小さくて、本当に愛しくて堪らなくなる。


そんな私たちを更に抱きしめてくれたのはシエルだった。






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