Rose of blood

女官長

執務室で仕事をしているとドアをノックされ返事をした。


ドアを開けたのは女官長のカナリアだった。


カナリアは俺が幼い頃の教育係だった。


俺にとっては第二の母のような存在だ。



『カナリアが自らここに来るなんて珍しいな』

「お仕事中失礼致します。今日はシエル様のお許しを頂きたく、こちらへ参りました」



カナリアが俺に頼み事をするのは初めてかもしれんな。



『何だ』

「明日、私もラキと共に瑠花様の元を訪ねても宜しいでしょうか」



いつかそう言い出すんじゃないかと思っていたよ。



『好きにしろ。ただし、わかっているとは思うが、余計な事は話さないようにな』

「承知しております」






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