Rose of blood
墓石には"カイン"と彫られていた。
墓石の前には枯れかけた花束が置かれていた。
ジオラさん……かな?
私も持ってきた花束をそっと供えた。
そのまま墓石の前に屈み、喋りかけた。
「カイン、久しぶりだね。今日はシエルと子供たちと来たの。あなたが助けてくれなければ、私も子供たちも今ここには存在していなかった。本当にありがとう」
私は手を合わせて目を瞑った。
心でカインと会話をするように。
どのくらい目を閉じていただろ。
横を見ると、子供たちも目を瞑って一生懸命カインと話をしているようだった。
立っているシエルを見ると、子供たちの様子を見て微笑んでいた。
本当にいい子達に育ってくれたなと思う。
「さぁ、そろそろ行きましょうか」
「『うんっ』」
「カイン、また来るわね」
私たちは立ち上がり、墓石に背を向け歩き出した。
カイン、見ててね。
きっと、今よりも素敵な愛の溢れた世界にしてみせるから。
【fin】
墓石の前には枯れかけた花束が置かれていた。
ジオラさん……かな?
私も持ってきた花束をそっと供えた。
そのまま墓石の前に屈み、喋りかけた。
「カイン、久しぶりだね。今日はシエルと子供たちと来たの。あなたが助けてくれなければ、私も子供たちも今ここには存在していなかった。本当にありがとう」
私は手を合わせて目を瞑った。
心でカインと会話をするように。
どのくらい目を閉じていただろ。
横を見ると、子供たちも目を瞑って一生懸命カインと話をしているようだった。
立っているシエルを見ると、子供たちの様子を見て微笑んでいた。
本当にいい子達に育ってくれたなと思う。
「さぁ、そろそろ行きましょうか」
「『うんっ』」
「カイン、また来るわね」
私たちは立ち上がり、墓石に背を向け歩き出した。
カイン、見ててね。
きっと、今よりも素敵な愛の溢れた世界にしてみせるから。
【fin】