Rose of blood
初めてシエルの部屋から出た。


私はシエルに手を引かれ、シエルの少し後ろを歩いている。


廊下には高そうな絵画や芸術品が飾られていた。


お洒落なものばかり。


シエルが通るとみんな深くお辞儀をする。


そして私の事を物珍しいものでも見るかの様に見てくる。


私はなんて浅はかなことをしてしまったんだろうと今頃になって気付いた。


シエルは一国の王子様。


私なんかと歩いていて変な噂をされては迷惑がかかってしまう。



「シエル……様!!」



シエルは立ち止まると振り返り私の顔を見た。






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