Rose of blood
「お部屋に戻りましょう。外に行く気分ではなくなってしまいました」



出来る限りの笑顔で話をした。



『そんな話し方しなくていい。いつも通りでいてくれ』

「でも……」

『それから変な気をつかうな。行くぞ』



私はもう何も言えなくなってしまい、再び歩き出したシエルに手を引かれるがまま足を進めた。


シエルは馬を連れてくると言って厩に行ってしまった。


私はお城の門の近くの花壇のブロックの上に座って待っている。


風邪が気持ちいい。


今は春くらいなのかな?


ワンピースの上からストールを羽織ってきてよかった。






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