Rose of blood
城の門を通ると騎士団たちがざわつき始めた。



『どうした』

『あそこに人間の少女がいるんですが……使用人でもなさそうなんです』



団長が指差した方を見て目を疑った。



『……ローズ』

『ジョシュ様?』



ローズの好きだった小花柄のワンピース……。


少女が我々に気付き振り返った。



「ジョシュさん!!」



瑠花が無邪気な笑顔で駆け寄ってくる。


ローズもいつも私の姿を見付けると笑顔で駆け寄ってきてくれていた。


昔ローズを抱きしめた様に彼女を抱きしめてしまいそうだった。






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