Rose of blood
嬉しくて顔が緩んでしまう。



『瑠花、口を開けて』



私は素直に口を開きシエルの方に顔を向けた。


口の中にイチゴの甘さが広がる。



「やっぱりウェルヴィアのイチゴは甘くて美味しいっ」

『瑠花は食べさせてくれないの?』

「えっ!?恥ずかしいよ……」

『いいから』



目をつぶって子供の様な顔をして口を開けて待っているシエル。


可愛い……っ。


私はフォークにイチゴをさし、慣れない手つきでそれをシエルの口に運んだ。


今日のシエルはこのイチゴと同じくらい甘々。






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