できちゃった結婚〜もしも俺が赤ちゃんになったら〜
鏡に映るのは、ベビーベッドにいる真紘。
でも鏡と目が合っているのは、俺……いや、真紘??
俺、真紘………
真紘、俺………
俺は真紘で、真紘が俺???
どゆこと???
「あら、真紘起きたぁ〜??」
キッチンから駆け寄ってきたのは、希だった。
まだ寝起きの彼女は、髪の毛もグチャグチャで、長い髪の毛が絡まっている。
希は軽々と俺(真紘)を持ち上げた。
「おはよう、真紘♪」
そう言って、彼女は自分の頬と俺(真紘)の頬をスリスリと合わせ、頬擦りをした。
「あ、あ、う〜…。」
希に真紘は俺だと伝えたいのに、言葉に出来ない。
「バカなパパはもう仕事行っちゃったよ。」
「あ、う!!(バカとはなんだと!)」
「ん?お腹すいた?もうすぐミルクの時間か…もうちょっと待ってね。あとで、おっぱいあげるからね。」
そう言うと、彼女は俺(真紘)をベビーベッドに残し、洗濯物を干しにベランダへ向かった。
どーしよ……
希、完全に真紘だと思い込んでるよな?
俺なのに……。
ってか……あんな優しい表情の希、久々に見た。
真紘にはあんな顔すんだなぁ……
なんか真紘に嫉妬しちゃうじゃん、俺。
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