できちゃった結婚〜もしも俺が赤ちゃんになったら〜
「……なんだ?残業してたのか。」
俺のデスクのうえに散らばるたくさんの書類に手を取り、上司は呟く。
「おっ。出来てるじゃねぇか。ちょっと目を通させてもらうぞ。」
そう言って上司は席に着く。
あれは夢だったのだろうか……
鮮明に頭に浮かぶ光景。
希の笑顔と涙。
真紘に伝える笑顔、
俺に伝えたい涙。
真紘になって初めてわかった。
一番近くにいて、何でもわかってるつもりだったのに、本当は全然わかってなかった。
希のこと。
家族のこと。
例え、夢であっても何か気づかされたことは確かだ。
……ん…?
いや…………違う………。
……夢じゃない。
「課長!」
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