できちゃった結婚〜もしも俺が赤ちゃんになったら〜
* * *
真紘はミルクを飲むと、とても安心したように希の腕の中でスヤスヤと眠りだした。
希のトントンと背中を優しく叩く音とリズムがとても心地良さそうだ。
すっかり眠りについた真紘を、希はそっとベッドへと移した。
「何か食べる?お腹すいてるでしょ?」
「え…あぁ……うん。」
そう言うと希は、キッチンへと向かい、いつものピンクのエプロンを着る。
希の一生懸命家事をする姿をちゃんと見たのは、本当に昨日の真紘になってた時が初めてに近い。
俺が実際ちゃんと見ることなんて、ほとんどなかったから、なんか変な気分だった。
希はこうして、奥さんになって、ママになって……
真紘だって、成長して……もしかしたらお兄ちゃんになるかもしれないし……
そんな家族の成長を、しっかり目で見ていかないと……。
そして、俺も……。
家族に支えてもらいながら……成長を見てもらわないと。
「……り、凌?!」
俺は後ろから希をギュッと抱きしめた。
「…ほ、包丁持ってるから…あ、危ない…よ?」
「……置いたらいいじゃん。」
「え……あ、…うん……。」
こんな風に触れ合うことは久しぶりなせいか、なんだか希は少し緊張しているような感じだ。
……可愛い。…ヤバイ……変なキモチになってきた…。
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