できちゃった結婚〜もしも俺が赤ちゃんになったら〜
エプロンの紐をそっとほどき、
俺と向かい合うように、希を向かせる。
まだエプロンしか脱がせてないのに、希はまるで『初めて』ような表情を浮かべた。
「……あの……ま、まだ……朝だよ?」
「……関係ないよ。」
俺は希の頬を両手で包み込み、ピンクに染まる彼女の唇にそっと自分の唇を重ねた。
「……二人目、作る?」
そう言うと、希は俺の手をギュッと握り、少しイジワルな顔して、
「……これ以上、赤ちゃんが増えたら困るよ。…一人はおっきい赤ちゃんだし。」
そう言った希を俺は、リビングのソファへと投げ飛ばす。
その投げっぷりは、まるで柔道選手のようだった。
投げ飛ばされた希はクスクス笑っている。
そんな希の上に、俺は覆いかぶさった。
「……希……。」
俺は、下にいる希を見つめた。
「……なに?…凌。」
希は、上にいる俺を見つめた。
「………絶対…お前も……真紘も…俺が…守るからな。」
そう言うと、希の瞳からほんの少し涙が零れた。
「うん。」と頷いたのを合図に、俺は彼女を抱きしめ、
何度も何度も唇を交わした。
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