できちゃった結婚〜もしも俺が赤ちゃんになったら〜
俺が仕事に就きだしたのは、ちょうど一年前。
営業の仕事だ。
人と話すのは嫌いじゃないし、何より給料がいいからとやりだした仕事だった。
慣れないスーツを着て、慣れない敬語を使う日々。
もともとバイトしかしてない俺だったし、まともに就職活動なんてしたことがなかったから、社会の厳しさを痛感した。
それでも日に日に大きくなる希のお腹を見ては、頑張ろうと思った。
弱音なんて吐いてる場合じゃねぇって。
それから真紘が産まれて、なお頑張らないと思った。
でも…俺はいつまで頑張ればいいんだろう。
おじいちゃんになるまで頑張って、ただ死んでいくのだろうか。
それって幸せなのかな?
結婚ってそういうものなんだろうか。
真紘が産まれてから、
なんだか父親とか夫とか……
わかんなくなってきた。
そんなことを考えてしまうこの頃。
上の空で仕事をしていたせいか、仕事をしだして初めての挫折を今日味わった。
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