できちゃった結婚〜もしも俺が赤ちゃんになったら〜
「……じゃあ高崎頼むぞ。」
「はい、お疲れ様でした。今日は本当に申し訳ありませんでした。」
そう上司に深々を挨拶をして、見送った。
営業の仕事でミスをして、今日は何時に帰れるかわからない。
何件もの取引先に、謝りに回り、大量の報告書を明日までに作成しなければならない。
『今日、残業する。何時に帰れるかわからない。』
忙しい中、希にメールを送った。
返事は返ってこなかった。
* * *
仕事が終わったのは、午前3時を廻っていた。
眠たい目を擦り、車を家まで走らせた。
もう希は寝ているだろうか。
いや、真紘がまた泣いて起きてあやしているかもしれない。
ってか、帰ってもあんま寝れねぇなぁ…。
家に着くと、リビングに灯りがついていた。
希起きてんのかなぁ……
「…ただいま〜。」
そう小声で呟き、そっと玄関のドアを開けた。
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