できちゃった結婚〜もしも俺が赤ちゃんになったら〜


中に入ると、真紘の泣き声も物音すらしなかった。

いつもの雰囲気じゃない部屋の様子に少し違和感を感じ、リビングへ行くと、リビングのテーブルには、俺の好きなオムライスとサラダ…傍らには小さなケーキが置いてあった。


隣の部屋を覗くと、
ベビーベッドに眠る真紘の隣に寄り添うように座る希がいた。


「…起きてたのか?」


そう声をかけても、希は応えなかった。


怒ってるのかと思い、「ごめんな、残業で遅くなったんだ。」と謝っても希は応えない。

ずっと下を向いて黙り込んでいる。


「のん〜〜〜お腹すいたから、飯あっためてよ♪」


そう甘えてみても、希は無言。

痺れを切らして、希に近づき、彼女の顔を覗き込もうとしゃがんだ時だった。


「……希?」


彼女は目に涙を一杯にして泣き出した。

涙は目から溢れ出して止まらないくらい彼女を頬を伝う。


「……希?…どした?なんかあった?」


そう希の肩に手をおこうとすると、彼女はその手を振り払った。
強い力で。



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