【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
徹哉の部屋に着き、灯を点けると、テーブルの上の大きな紙袋が目に入った。


“○○スポーツ”と書かれた紙袋は、持ち上げてみると、少し重たい。


有子は、紙袋の隙間から中を覗いて見た。


“マグカップ”


そう、この部屋から無くなってた物を埋める様に、有子が毎週買い足してきた物が全部、バランス悪く入れられていた。



『徹哉………
何を考えているの?
あたし達、本当にもう、終わりなの?
話し合う時間すら、与えてくれないの……?』





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