【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
間接照明の柔らかな光も、二人を包んではくれない。


二人共が、黙ったまま、下を向いていた。





1時間程が過ぎた頃、有子は立ち上がり、バックと紙袋も抱え、玄関へと向かう。


徹哉も慌てて立ち上がり、有子を見送る為に玄関へ急ぐ。


「有子、元気で頑張れよ。
今まで、本当にありがとう…」


いつもの優しい徹哉の顔で、有子を送り出す。








「じゃあ、徹哉……










また、来るね!」





【完】

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