【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
甘えて見える様な潤んだ瞳に、列を乱す事なくカールされた、長い睫毛。

線が細く華奢な体付きは、それだけで充分に異性の目を引いた。


自分から行動をしなくても、男達が彼女を甘やかす。


香純。29才。



入社した頃の“可愛い”だけだった香純は、大人の色気を兼備え、30才を間近にしても、誰もが憧れる存在へと成長していたのだ。





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