【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
金曜日。

今日の為に、最新の“男ウケ”するワンピースを買い、髪も内側に巻いて来た。

そして、メンバーも厳選して挑んだのだ。



なのに、香純は脇役になっていた。


真一の友達だと云う男達は、香純には目もくれず、一番地味な“紗季”を囲む様にして、盛り上がっている。


時折、困った様に香純を見る紗季の目が、一層、香純の気分を悪くさせるのである。


「良く飲むね…」


顔を歪めて、呆れるように真一が声をかけた。





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