【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
昨日から、何度も拭いているフローリングの床に、ぼんやりと写る輪郭。


ふと、虚しく感じる。

毎日磨いているこの床を、夫は気付いているのだろうか?


慌てて出掛けて行く時に、目を合わせた記憶が無い事を思い出す。


もしかしたら私、愛されて居ないのではないか……



日曜日の昼下がり、不意に訪れた一人きりの時間が、私の幸せな暮らしに揺さぶりをかけた。





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