【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
「買うって………。
何を……したら良いの?」


私は、声がうわずっていないか、確認しながら聞き返した。


「何をしても良いョ。
ホテルに行ったって良い」


“少年”が、真面目な顔をして言うから、私は思わず………


「良いわ。
いくらなの?」

そう聞いていた。


「最後で良いョ。
で、ドコに行く?」


“少年”は、当たり前の様に、肩に手を回した。

何を企んでいるのか、警戒をさせない程、自然に………





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