【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
昼間から、その建物は、一目で分かるたたずまいをしていた。


もう、何年も来た事がないその場所は、私に緊張と興奮をさせた。


狭い部屋の中の殆どを占領している大きなベットの他に、申し訳ない程度のソファとテーブル。


私は、床の上に荷物を降ろし、ソファの出来るだけ端の方へ座った。


「緊張してる?」

含み笑いを浮かべ、シュウが私を見る。


私は、心の中を覗かれている様で、悔しくなった。


「じゃあ、シャワー浴びて来るわね」


逃げる様に、バスルームへと向かう。





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