海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜
「うん…、まあ…。」
浩二は、俯きかげんで頭をかいた。
「役者なら、もうちょっと、気の利いたリアクションしてよ。」
美由紀は、同じように笑ったあと、荒井達に向き直った。
「失礼しちゃったね。私は、工藤美由紀。浩二君にはおじいちゃんの家へ行った時に遊んでもらっていたの。」
美由紀は、一度言葉を切ってから、仁藤を見つめた。
「仁藤さんか…、なるほど、可愛いわね。真愛が意地悪するわけだ。」
美由紀が右手を伸ばした。