海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜


「シュウイチ…。」

呼んでも浩二に表情は戻らなかった。

仁藤は、涙を溢れ出しながら、浩二をしばらく見た後、身を翻させて駆けて行った。

それを見送るかたちの浩二の足元から声がした。

「いいのかな?あの子はあなたに必要な子だと思うよ。」

美由紀が防波堤の階段に腰を下ろしたまま、浩二を見上げていた。


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