海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜
「それは、こーちんが自分で解読して下さい。」
仁藤は、途中から付けていた『先輩』って言葉を外す事に決めた。
浩二の様子を伺ったが、普通に受け入れているようだった。
「…だね。で、ともちゃんからのメール…あれはなんて?」
「それも、自分でお願いしますぅ。」
顔を少し赤らめた仁藤は、窓の外に目を移した。
そこには、新舞子マリンパークの風車が見え隠れしていた。
『イルカの唄…か…。』
仁藤は景色を見ながら考えていた。