■短編■-茜空-
━━━━……
「言い逃げしたんだ…」
『はい…言い逃げしました。』
「まあ、でも気持ち伝えられたじゃん。上出来だよ」
美緒は私の頭をガシガシと撫で回し、優しく笑った。
「ところで楓、これ出さなくいいの?」
美緒は私の机の上のプリントを指差した。
『やっばい!!出しに行かなきゃ!!じゃあちょっと職員室行ってくるね!!』
いってらっしゃーいと手を振る美緒を見て、私は教室から飛び出した。