■短編■-茜空-
その後の授業なんてまったく頭に入ってこない。
《早く放課後になれーっ》
と毎時間念じ続け、ついに放課後になった。
「楓ー昇降口まで一緒に行こ♪」
『うん♪』
「今日アドレス交換するんだよ?」
『うっ…うん…頑張る』
「よしっ!!」
美緒は私の話を聞いて、自分のことのように喜んでくれた。
今も鼻歌を歌いながら横を歩いている。
美緒が自分の友達でいてくれることに、改めて幸せを感じた。