■短編■-茜空-


昇降口に着くと、先輩の後姿が見えた。


『先輩っ』


「楓ちゃん」


先輩はゆっくり振り返り微笑んでくれる。
私はこの笑顔が大好きだ。


「じゃあ、楓またねっ」


『あ、また明日っバイバイ』


手を振る私に美緒は口パクで"がんばって"と言ったのが先輩の背中越しに見えた。


「俺達も行こっか」

『はいっ』


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