■短編■-茜空-

◆学校

「で?昨日も楓の愛しの君は公園に来たの?」


机の上にお菓子を広げて、スナック菓子をポリポリ食べながら美緒は言う。


美緒は唯一私の恋を知っている存在。
彼を見掛けた日以来、ずっと相談にのってくれている。



『うん……』


「なーんでいっつも同じ時間に、同じ場所で空なんか眺めてんだろうね?」



本当にそうだ。
彼は何を考えているんだろう。

というか、よく考えてみれば私は彼の名前も、年齢も知らないんだ。


《全然ダメじゃん…》


情けない自分の想いがため息として出る。

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